世界初、筋ジストロフィー・モデル犬の症状改善に成功
2009年3月19日
「デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデル犬でエクソン・スキッピングを用いた治療に世界で初めて成功」発表
国立精神・神経センターは、米国チルドレンズ・ナショナル・メディカルセンターとの共同研究チームが世界初となるデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するマルチ・エクソン・スキッピング治療により、モデル犬の症状改善に成功したと発表した。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、最も頻度の高い致死性の遺伝子疾患の一つ。X染色体短腕にあるジストロフィン遺伝子の異常によって発病し、筋細胞膜の細胞骨格形成において重要な役割を担うと言われるタンパクのジストロフィンを効率的に生成することができなくなる。初期症状としては転びやすい、走れないなどの歩行に関する異常や、立ち上がり方の異常など筋力低下が見られ、現在のところ根本的な治療法が見つかっていない病気である。
エクソン・スキッピング治療では、アンチセンスと呼ばれる短い合成DNA類自体を用いて治療。変異が見られる部分や、その周囲を覆って読み飛ばさせること(スキッピング)によりタンパク質の生成を回復させる技術が用いられた。
そして、ジストロフィン遺伝子を構成する79個のエクソン(イントロンと呼ばれる不要な部分を除去し、残りの部分を結合した領域)の内、同時に複数のエクソンに変異が見られた場合に、複数個のエクソンをスキッピングするべく、モルフォリノと呼ばれるアンチセンスのカクテルを用いて治療の適用範囲を広げた。
これにより、デュシェンヌ型筋ジストロフィー・モデル犬の症状改善に成功。この技術により、最大でデュシェンヌ型筋ジストロフィーの80〜90%の患者に対して治療が可能になるとの考えを示した。
また本研究成果の発表と共に、未治療筋ジストロフィー犬の様子や各治療段階におけるモデル犬の状態を撮影したwindows・mac対応のビデオも公開。治療の経過とともに、モデル犬の変化を見ることができる。
[ 日米の共同研究チームのビデオ ]
1. 未治療筋ジストロフィー犬(7ヶ月令)
2. 未治療筋ジストロフィー犬2(7ヶ月令)
3. 週1回120mg/Kgカクテル・モルフォリノを5回投与後の筋ジストロフィー犬(7ヶ月令)
4. 週1回200mg/Kgカクテル・モルフォリノを7回投与後の筋ジストロフィー犬(4ヶ月令)
5. 週1回120mg/Kgカクテル・モルフォリノを11回投与後の筋ジストロフィー犬(7ヶ月令)

・ 国立精神・神経センター http://www.ncnp.go.jp/
【PDF】デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデル犬でエクソン・スキッピングを用いた治療に世界で初めて成功 -日米の共同研究チームが研究成果とビデオを発表-











